FXと円安
FX(外国為替証拠金取引)を長年行っていると、急激な円安や円高と言う局面にも何度も直面します。大きな災害や戦争が起こった場合や、テロがあった場合、またテロの噂がたったと言うだけでも円高から円安へとめまぐるしく変化します。米ドルに対して円がたった1日で1円以上も大きく相場が動くようなことも年間で必ず何度か起こります。
FXでは買いから入ることはもちろん、売り(空売り)から入ることもできますので急激な円安と言うのは実は願っても無いチャンスとなる場合が多いようです。もちろん先に空売りのポジションを持っていないと意味がありませんが、こうした点は買いからしか入ることのできない外貨預金とはまったく異なるメリットでFXの自由度の高さを実感できるものです。
またFXを行う際には様々な通貨に分散してポジションを持つ場合や、同じ通貨でも売りポジションと買いポジションの両方を同時に維持するといったユニークなポジションの持ち方をする場合が良くあります。これらはクロス円(円を必ず含んだ外貨との取引)ばかりとは限りません。「ユーロ・米ドル」など様々な通貨ペアでも行われます。
FXのこうした取引は、主にリスクを分散するために行われています。リスクの分散を行わないで、為替の相場がクロス円ですべて極端な円安あるいは円高となってしまった場合、一方通行のポジションしか持っていないと、急激な円安・円高などの相場に対応できなくなってしまい、FX業者からマージンコールがかかり、最悪の場合には強制決済となってしまいます。
FX以外での円安のメリット
急激な円安になって喜ぶのはFXを行っている人だけではありません。円安の際には輸出関連の業務を行っている企業ではまんべんなく潤うことになります。なぜ輸出を行う業種が円安で潤うのかと言うと、円の相対的な価値が下がることで、外国に輸出した日本製の製品を安く提供できるからです。
もちろん小売業の場合ばかりとは限りません。コンピュータや大型の工業機械などの輸出においても、円安になれば日本の企業は儲かると言うことになります。また日本の場合には外貨準備高のほとんどは米ドルですから国家予算としても一時的に外貨準備高が増えるということになるのです。
「円安」と言う文字面だけを見ると、一見日本が損をするようなイメージを抱きがちですが産業界から見た場合に限って言えば喜ばしい状況なのです。ちなみに為替の相場が円安に少し振れただけでも輸出に頼っている自動車メーカーや家電メーカーなどの株は急速に上がることがあります。まして安定した円安のトレンドに入ったりした場合には、これらの企業の株は一気に上がります。
このようにFX以外でも円安のメリットは大きいものがあるのです。
しかしこれとは反対に円安では海外から日本に輸入される商品については値上がりしますから、一般の家庭から見れば急速な円安は喜べるものではありません。
そのためにもFXをもっと勉強して円安の局面で大きな利益を収められるほどに上達しておきたいものです。
なお、円安といってもすべての通貨に対して円が安くなる場合と、特定の通貨に対してだけ円安で他のユーロなどに対しては特に変化が無いというようなこともありますから、確実にFXで利益を得るにはこうした円安の種類や違いなども勉強しておく必要があります。
FXと円安の予想
為替の相場を読む、まして中・長期的な予想を立てると言うことは本当に難しいことです。その良い証拠が経済新聞などで目にする経済評論家や機関投資家などによる為替の予想の特集などです。記事を読んでいる時点では「円安になる」、「いや円高になる」、「100円を超えてくる」、「80円を試すでしょう」などと様々な予想がなされていますが、こうした予想はどれも専門家ごとにバラバラで、どのような材料を根拠とするかで為替の予想は大きく変わってくるものだと実感させられます。
また半年後くらいにこうした為替の円安・円高などの特集号を引っぱりだして確認してみるとおおむねの流れとしては間違っていなくても細かな数字に関してはだいぶずれていると言ったような場合がほとんどです。
FXを行う人間にとって見ればこうした専門家の為替相場の予想などは貴重な情報源で説得力はありますが、あまり過信するものは考えものでしょう。
FXの場合は、どのように為替が変動してもリスクは最小限におさえられ、利益が得られる可能性が高いといった注文方法でポジションを持つことが重要です。FXで儲かったと聞くとたいていの人は「見事に相場の動きを予想して一山あてた」などといったギャンブル的なイメージを持つようです。しかし実際にFXを行っている人に言わせればこれはまったくの勘違いです。
FXはリスクが大きいからこそ、実際に取引を行う場合には「勘」や「直感」に頼らずに急激な円安や円高などが起きても最小限の損失でおさえられるように科学的、あるいは経験的なデータに基づいて投資を行うことが重要なのです。